里親制度に興味のある方、検討している方のために、本記事では重要な点を整理、解説しています。
ぜひ最後までご覧ください。
里親制度とは、恵まれない家庭の子ども、実の親による養育が困難な子ども、様々な事情で親元を離れて暮らすことになってしまった子どもを自分の家族に迎え入れ、愛情ある温かい家庭環境と正しい理解をもって、健やかに育つよう養育する制度です。
里親制度は厚生労働省やこども家庭庁の管轄ですが、実務は都道府県が行っています。
筆者が里親研修などで聞いた話ですが・・・
昔々は、事情のある恵まれない子どもたちは、児童養護施設で過ごすことになる場合が多かったそうです。
児童養護施設で過ごした子どもの中には、自立後に社会になじめない、自立しても生活できない方もいたそうです。
確かに、18歳になって社会に出されて、働きながら急に一人暮らしをするのは大変だと思います。
里親制度では「実親が子どもを養護できるようになるまでの一定期間」だったり「子どもが自立するまでの一定期間」養育することを前提にしています。
一緒に料理をする、外食に出かける、里親の親戚の集まりに行く、など生活を共にすることで「普通の生活」を学んでいくことが大変重要である、ということだそうです。
そういわれれば、トイレの入り方、お風呂で体を洗う順番、大人たちの集まりに出た時どうするか、なんかは教わって覚えるものではないですね。親たちと一緒に行動して、時に注意され時に褒められて自然と体が覚えていくものでしょう。
里親制度というものはそこを目指しているようです。ここまで研修などで見聞きした筆者の感想です。
里親制度に興味を持っていただけましたか?
温かい家庭で愛情をもって養育、というのがいいですよね。
さて里親制度の続きです。
どうやって里親になるのか?
流れを紹介します。
・まずは同居する家族の同意、夫婦だけではなく、実子がいる場合は実子、おじいちゃんおばあちゃんがいる場合はその人たちもの同意も必要です。
・地元の児童相談所に「里親に登録したい」ことを伝えます。担当職員の方から簡単な説明があり、後日の面談の日程が調整されます。
・(夫婦で)児童相談所を訪ねて里親制度の説明を受けます。この時家族構成などを聞かれます。また後日受ける里親研修(基礎研修)について説明を受けます。
・里親研修の基礎研修を受けます。里親研修は「特別養子縁組」を希望の方たちと一緒に受けます。
・認定前研修(登録前研修)に参加します。
・知事あての申請書類を児童相談所へ提出します。
・自宅へ生活状況などを確認しに児童相談所の方が自宅を訪ねてきます(家庭訪問調査)。
・申請書や家庭訪問調査の結果が児童相談所から都道府県役所へ送られ、社会福祉協議会の意見を踏まえたうえで、申請の可否の判断をします。
・可ならば認定・登録が決定します。登録の有効期間は5年間です。5年たったら「更新研修」を受けなければ継続できません。
筆者の見聞きしたこと。
家族の同意は絶対に必要です。研修の席上「夫は反対ですが」と発言した方がいました。反対している家族がいる家に子どもを預けることはまずないと思います。事件事故の防止のためではないかな、と思いました。
研修は「夫婦」で受けます。夫婦の動きを見てたりするのかな、そんな感じがしました。
研修には独身の方(元教員の方など)も見えます。
「3歳から7歳の女児を養育したい」と発言した60歳くらいの独身男性がいましたが、やばそうな雰囲気(筆者の感想)で、その後二度と見かけていません。役所から「来るな」と言われたのかもしれません。
認定・登録後の話
認定・登録されても、すぐに子どもがやってくるわけではありません。
子どもの性質(暴力的、病気を抱えているなど)を考えて、「この子はこの家がよいかな」という選考があります。
児童相談所では、こどもと家族を、数合わせでくっつけているわけではありません。
かつて筆者の家に、幼い病気がちな子どもを打診されたことがありますが、筆者に病気が見つかった直後だったため泣く泣く断ったことがあります(我が家の雰囲気に合うと思われたから打診があったのだと思います)。
数年後、「最近お体の調子はいかがですか?」という電話が来るようになって、ちょうど体も治った後だったので、そのことを伝えたところ新しいお話をいただきました。
子どもと生活しだした時、子どもの性格を考えてみると「児童相談所では、里親と子どもの性質性格をちゃんと見ているんだなあ」としみじみ思いました。
子育てに限界を感じている方へ
もし子育てに限界を感じている方がいらっしゃったら、ぜひ児童相談所へ相談してみてください。
児童相談所では個人情報は絶対に明かしません。親と子どもが一番良い形で生活できるお手伝いをしてくれます。
最寄りの自治体の児童相談所へ、ぜひ連絡してみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございます。
筆者の体験がたくさん詰まってしまいましたが、里親制度に興味がでてきたでしょうか?
もし興味があれば、ぜひ一度児童相談所へ連絡していることをお勧めします。