里親制度は、保護者のいない児童や保護者に監護させることが不適当であると認められる児童(要保護児童)を養育するための制度です。
里親にはいくつかの種類があります。
- 養育里親
- 養子縁組を目的とせずに、要保護児童を預かって養育する里親です。
- 実親の元で暮らすことができるようになるまでとなりますが、期間はまちまちで、長い場合は成人になるまで委託を続けるケースもあります。
- 実親次第ですが、養育里親であっても長期間委託が続くなどして、手続きを経て普通養子になるケースもあります。
- 専門里親
- 虐待された児童や非行等の問題を有する児童、身体障害児や知的障害時児など、一定の専門的ケアを必要とする児童を養育する里親です。
- 養育里親よりも難しい養育であるため、専門的な研修を受けることが必要です。
- 養子縁組里親
- 養子縁組を前提とした里親です。保護者のない子どもや家庭での養育が困難で実親が親権を放棄する意思が明確な場合に適用されます。
- 児童が6歳未満の場合は特別養子縁組制度により、裁判所の審判により、実子扱いでの入籍が可能になります。
- 親族里親
- 3親等以内の親族(祖父母、叔父、叔母など)の児童の親が死亡、行方不明、拘禁、入院や疾患などで養育できない場合の里親です。
- 児童の精神的な負担を考慮し、養育里親よりも親族里親が優先されることが多いといえます。
里親手当と年齢制限
- 里親手当
- 里親として子どもを預かる場合、里親手当が支給されます。
- この手当は、子どもの養育にかかる経済的負担を軽減するために提供されます。
- 里親手当の具体的な金額や支給条件は、自治体や地域によって異なります。筆者の住んでいる地域では、里親手当が9万円程度、養育費が5万円程度支払われます。
- 養育費の使い道などは、まとめて報告する義務があります。
- この手当は課税対象です。子どものために良かれと思って貯金しておくと、税金で持っていかれます。
- ファミリーホームの場合
- ファミリーホームは、子どもを施設で受け入れる「グループホーム」とは違い、里親や児童養護施設の職員など、経験豊かな養育者が家庭に迎え入れ養育するもので、夫婦などが個人で迎え入れる「里親」の規模を大きくしたものです。
- ファミリーホームにも里親手当が支給されます。
- 年齢制限:
- 年齢制限はありません。筆者は50代で初めて子どもを受け入れました。60代で里親をやっている方もいらっしゃいます。
- 年齢よりも、子どもたちに愛情と安定した環境を提供できるかどうかが重視されます。
里親制度は、子どもたちにとって新しい家族を見つける大切な手段であり、多くの人々が愛情をもって子どもたちを支えています。
この記事は、里親制度についての基本的な情報を提供しています。詳細な制度や手続きについては、各自治体の児童相談所にお問い合わせいただくか、公式ウェブサイトをご参照ください。