最近よく見かける言葉になりましたが、「里親制度」やそれにともなう「養子縁組制度」についてまとめてみました。
ぜひ最後までお読みください。
養子縁組にも里親制度にも種類がいくつかあって、政府や自治体の資料を読んでいてもこんがらがってくるので、種類別に簡単にまとめてみました。
★養子縁組制度 | |
普通養子縁組 | 実親との関係が継続される。養親と実親の子どもになる。 |
特別養子縁組 | 子供との間に新たに親子関係が生じる。実親との親子関係は解消になる。 |
★里親制度 | |
養子縁組里親 | 特別養子縁組を前提に子どもを預かる里親。 |
養育里親 | 「子どもを一定期間預かる」ことを前提にした里親。養育のみを行い新しく親子関係は生じない。国から「里親手当」と「養育費」が支給される。 |
専門里親 | 発達障害があったりするような子どもに対して、専門の知識や理解を持って育てることができる里親。子どもの養育についての専門的知識と資格が必要。 |
親族里親 | 子どもの両親が亡くなったり病気で育てられない場合に、子どもの3親等の親族までがなることができる里親。 |
ここから、「特別養子縁組=養子縁組里親」「養育里親」について解説します。
ざっくり言えば「子どもをうちの子にして育てる」か「うちの子にしないで育てる」かの違いです。
子どもが欲しいけどいない家庭だと、うちの子になってくれたらうれしいですよね。それをかなえてくれるのが「養子縁組里親による特別養子縁組」です。
そういうご家庭から見れば、「うちの子にしないで育てるだけって、何のメリットがあるの?」って思いますよね。
児童相談所へ行って特別養子縁組希望の申し出をすると、「養育里親の希望も一緒に出しませんか?」と必ず言われます。養子縁組の希望を出している方には、自分の家庭のことだけでなく社会的責務として子どもをちゃんと保護しよう、と志の高い方も多いです。事情があって実親と暮らせなくなってしまった子どもに「帰る場所」「温かいご飯」「安心して眠れる場所」を提供しよう、というものです。
筆者の家には、6歳の里子がいます。
明るく元気な子ですが、6歳児なら知っているべきことをあまり知りません。食べる量もほんの少しでしたし、毎日お風呂に入る、毎日決まった時間に決まったベッドで寝る、という経験もなかったそうです。
我が家に来てからは、毎日決まった時間にご飯を食べる、歯磨きや体を洗う意味・やり方、文字の練習、いろんな音楽や映像の存在、などを一緒に過ごしながら教えています。
あとは、やってはいけないことをやったら怒られる、ということを教えています。
この子は、そのまま育っていっていたらあまりものを知らない、善悪の判断も怪しい大人になっていたんだろうと思います。親世代から見て「よくない大人」になっていたのではないか?と。
里親をしている筆者夫婦がこの子にできることは、将来大人になって困らないように「ふつう知っている知識・知恵」を教えて、普通に「就職」できて、できれば普通に「結婚」ができるようになってほしい、そう思って育てています。
ちょっと長くなってしまいましたが、里親とはそんな気持ちで育てているんだよ、ということです。
さて、特別養子縁組の場合ですが、多くの場合、赤ちゃんの時にやってくることが多いようです。
ものごころつく前に育ててもらってて、パパママが当たり前にいれば、疑いもなくすんなり親だと認識できるでしょうし。親の方も子育てによって苦労して育っていくので、本当の親子の絆が芽生えるんだと思います。
特別養子縁組=養子縁組里親には、実は怖い点がありまして、「真実告知」というものが待ち構えているのです。
真実告知とは、「私たちはあなたの本当のパパママではないんだよ。あなたを生んだ本当の親は別にいるんだよ。」と、ある日子どもに告げなければならないのです。
子どもはショックを起こします。口をきかなくなったり、暴れたりします。
本当の親のところへ行く、と言い出したりします。
特別養子縁組をした親子に訪れる「本当の試練」です。親子ともにこれを乗り越えて、新たに親子の関係を築かなくてはなりません。それを乗り越えて本当の親子になるんだ、と思います。
特別養子縁組制度と養育里親制度について書かせてもらいましたが、いかがでしたでしょうか?